2015年6月3日水曜日

映画『あん』を見て

朝、パン生地を仕込みながら、
思いがけずラジオから流れて元気をもらえる曲が、
ゴダイゴの「ビューティフル ネーム」(ゴダイゴは他の曲にも元気もらいますね~)、
布施明の「君は薔薇より美しい」。
やっぱり、心は完全に昭和の店主のブログへようこそ~

今日は映画の話。

前回のブログでご報告したKuriyaさんでの試作の後、
土曜日に公開されたばかりの映画『あん』を見に行ってきました。

職業柄、食べ物系の映画にはめっぽう弱く、
今回の「あん」も迷わず、映画館に直行。
その他、シェフが主役だとか、カフェが舞台だとか、見る頻度が高くなってしまいます。







皆さんの年齢、職業、性別、感受性によって、感じることは様々だと思いますが、
食べ物を作ることを生業としている私にとっては原点回帰のような映画。
ちょっと大げさな言い回しですが、そう思えるような映画でした。


始まりは・・・・
樹木希林演じる徳江が、
桜の咲き誇る季節に、どら焼き屋「どら春」の店主・千太郎の前に現れます。
80歳を目前にした老女・徳江が、アルバイト募集のチラシを見て「雇ってほしい」と懇願します。
しかし、当然のごとく断る千太郎。
日をおいて、
徳江は自分の作った「粒あん」を持ってきて「食べてみてほしい」と千太郎に手渡します。
にべもなく、ごみ箱に捨てる千太郎。
しかし、すぐに思い立ち、指ですくい一口。
続けざまに、また、一口、二口。

再度、現れた徳江に千太郎は徳江に「手伝ってほしい」といい、
それから、二人の「どら春」が始まります・・・・


何より、
千太郎に「手伝ってほしい」といわれた時の徳江の喜びようったら!
何にも知らない子供のように純粋なんです。
そして、あんこが美味しいと評判になって、
お客様が行列を作るようになった時の徳江の千太郎に語りかける言葉がやさしいんです。
乾燥した小豆を水につけ、あくをぬき、焚いていく姿勢が、心に沁みるんです。

自分の好きなこと、得意なことを仕事にして、お金を稼いで生活できることが、
どんなに幸せなことなんだろうか。
これから先、誰かを雇うこともあるかと思います。
その一緒に働くことになる人に「働くよろこび」を与えることはできるだろうか。
その仲間に、やさしい言葉を投げかけることができるだろうか。
地球のどこかで生まれ、育てられ、はるばる、私の元にやってきた子たち(材料のことね)を、
めいっぱい美味しくしてあげられてるだろうか。

よろこびを与えられる人になりたい。
やさしい人になりたい。
めいっぱい、美味しくしてあげたい。

そして、希林さんの実の孫、内田伽羅ちゃん、
ものすごく自然な演技で、一気にファンになってしまいました。

上映は始まったばかりなので、まだまだ、大丈夫。
お時間がある方は、是非、映画館に足を運んでみてください。
(ちなみに、長崎では、ユナイテッドシネマ長崎のみでの上映となっているようです)
皆さんは、どんなことを思われるんでしょうか。

私も、また、見に行こうかな~

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